フッ素について
「フッ素を使うと歯が強くなる」という認識が一般的になされていますが、今回はフッ素のむし歯予防のメカニズムについてご紹介します。
⒈ 歯に対する作用
① エナメル質が溶けるのを抑えます。 フッ素の濃度により作用するメカニズムが異なります。 低濃度(歯磨き・洗口)のフッ化物は エナメル質のハイドロキシアパタイト+フッ素イオン → フルオロアパタイト(安定した構造で酸に対する抵抗性が高く歯が強くなる) 高濃度(歯科医院でのフッ化物歯面塗布)のフッ化物はエナメル質表面にフッ化カルシウムを生成。酸性状態になるとゆっくり溶け出しフッ素イオンをじわじわ出すのでう蝕予防に働くことができます。 つまり高濃度と低濃度のフッ素使用の合わせ技で歯質強化ができるのです。 |
②エナメル質の再石灰化を促進します。
フッ素イオンの下ではフルオロアパタイトが増加します。
2.プラークに対する作用
フッ化物がプラーク(歯垢・細菌の塊)のなかにフッ素イオンとして貯蔵されます。フッ素イオンは細菌が酸を産生する邪魔をするのです。
むし歯予防について、最も費用効果のある予防方法はフッ化物の日常的な利用であることが報告されています。ご自身のむし歯リスクをまず知った上で、適切かつ効果的なフッ素の利用をオススメします。
子どもさんであれば年齢に応じて歯磨き粉の量も異なるので、担当の歯科衛生士に相談してくださいね!
文責 懸樋
参考文献:子どものう蝕治療とリスクマネジメント デンタルダイヤモンド社