前回は前歯・犬歯について歯の役割りをお伝えしました。

今回は奥歯についての役割りをお話したいと思います。

◆小臼歯
犬歯の奥は小臼歯( しょうきゅうし)です。小臼歯は上下左右2本ずつ、合計8本あります。小臼歯は、小さな臼の歯と書きますが、前歯や犬歯より少し分厚くできています。

この小臼歯という歯、矯正治療でよく抜いてしまわれる歯ですが、非常に大切な役割があります。小臼歯には、上下の咬み合わせを決める要素があります。歯の形に、下アゴが不必要に後ろに(奥に)下がらないようにするストッパーの形が刻まれているのです。もし小臼歯がなくなったら、上下の顎の位置が決まりにくくなり、咬み合わせも不安定になります。咬み合わせが不安定になると、顎の関節にも影響が出てくることがあります。

小臼歯は、食事のときに活躍するだけでなく、人間の体のバランスを機能的に保つためにも大事な歯なのです。

◆大臼歯
もっと奥にいくと、大臼歯( だいきゅうし) といわれる、どっしりとした大きな歯があります。

第一、第二、第三とあり、第三大臼歯は親知らずのことです。第一大臼歯は6歳臼歯、第二大臼歯は12歳臼歯ともいわれます。それぞれ6歳、12歳頃に生えてくるからです。親知らずは、現代人では、埋まってしまっていて出てこなかったり、初めからそのものがない方もいらっしゃいます。退化傾向にある歯です。

第一大臼歯の食べものを噛みつぶす力は最大です。また、上下の歯をしっかりと噛みしめたとき(食いしばったとき)、咬み合う高さを決定し、保つ役割を果たしている重要な歯です。もし、第一大臼歯を失うと噛む力は激減し、抜いた部分を放っておくと周りの歯が移動して咬み合わせが崩れていきます。

歯はそれぞれ役割があって、すべての歯が調和をもって存在します。理由はどうあれ、どれかなら無くしてもいいわけではありません。親知らずのように現代人にとって必要ないと体が反応を起こしている歯は除きますが、すべての歯を大事にしなければいけないのです。 すべての歯の形は、アゴの関節の動き角度と密接な関係があります。適当に並んでいればよいのではなく、規則性をもった形になっています。連続して並んで初めて機能的な姿になるのです。