現在、残念ながら日本の歯科医療には北欧諸国のような「予防」という概念はほとんどなく、「治療」が中心です。ほとんどの歯医者さんでは、ただ単に「削る」「詰める」「抜く」といった治療が行われています。虫歯ができてしまったから削る、穴があいてしまったから詰める、歯がだめになってしまったから抜く。歯科医師も患者さんも、それが当たり前だと思っています。

しかし、これでは治療という名の応急処置でしかありません。本来であれば、穴があいた原因は何なのかをしっかり調べて、二度と穴があかないようにするにはどのような処置をすべきかを考えるべきであり、それが本当の医療です。
ところが日本のほとんどの歯科医師は、初めての患者様が来たらまず簡単なチェックを行い、「じゃあ治療をしましょう」と言っていきなり治療に入ります。治療の前に当然行われるべき、「精密な検査」と、検査結果に基づいて疾患の原因を探り、適切な治療方法を導き出す「診断」が行われていないのです。

これは考えてみたら非常に怖いことです。例えば、心臓の調子が悪いとします。病院へ行って心電図をとられて、医師からいきなり「はい、心臓が悪いようなので、とりあえず手術しましょう」と告げられたらどう思いますか?
現在、日本の歯医者さんで行われている医療は、信じられないことですが、これとほとんど変わりません。医科医療であれば当然行われている治療に入る前の「検査」と「診断」が、歯科医療の世界ではまったく無視されているといっても過言ではないのです。

お母様たちにお願いしたいのは、「子どもがむし歯になる前に定期的に歯医者さんに連れて行き“予防”を行うこと」。そして「歯医者さんを選ぶときには必ず“検査・診断”をきちんと行っている歯科医院を選ぶこと」です。この2つを今すぐ始めて、子どもたちに一生むし歯のない素敵な未来をプレゼントしてあげましょう。